新刊『人を想うこころ』ちょい読み 足が悪くても成仏できるのですか?

新刊『人を想うこころ』~人生で大切な恩と供養の話~ が平成29年10月1日に発刊されました。

本書の一部を先読みしてもらえるようブログで公開いたします。
なぜ、供養をしなくてはいけないのか。
なぜ、恩が大切なのか。
本書で気づいてもらえるとうれしいです。


 

足が悪くても成仏できるのですか

私はお盆の時期によく質問を受けます。私は、佐藤さんから「亡くなったお父さんは足が悪かったけれど、お父さんはちゃんと成仏できただろうか」という質問を受けました。

佐藤さんのお父さまが亡くなったのは三年前でした。佐藤さんは看護師の職能を生かしてお父さまを自宅で介護し、最期を看(み)取(と)りました。お父さまの介護だけが生き甲(が)斐(い)だった佐藤さんも六十歳です。夫に先立たれ、子どもはいません。

生前、佐藤さんのお父さまは足が悪く、歩くことができませんでした。しかし、佐藤さんの献身的な介護のおかげで、お父さまは日常の生活にほとんど困ることはありませんでした。佐藤さんの心配事はお父さまが亡くなってからのことでした。

「亡くなったら死出(しいで)の旅に出るって言うでしょ。それも一人旅。足が悪いお父さんは、歩けないから、死出の旅に出たくても行けないのではないかと思うと心配で」

故人のご遺体を納棺(のうかん)する時に、旅支度として白い着物や足袋(たび)、六文銭やおにぎりなどなどを一緒に入れます。

納棺

死出の旅は歩いて行くものです。自動車やバスなどの乗り物はありません。歩けない人は、ずっと歩けないままに、この世で迷ってしまうのではないかと佐藤さんは心配されたようです。

私の回答は次回へ