お布施とは?その2

新刊『人を想うこころ』~人生で大切な恩と供養の話~ が平成29年10月1日に発刊されました。

本書の一部を先読みしてもらえるようブログで公開いたします。
なぜ、供養をしなくてはいけないのか。
なぜ、恩が大切なのか。
本書で気づいてもらえるとうれしいです。


 

お布施とは?その2

 

修行者は、朝と昼の食事の時間(一日二食)に街に出て托鉢(たくはつ)をしました。修行者が食べる物を街の人々に少しずつ分けてもらうためです。

瞑想(めいそう)などの修行と托鉢(たくはつ)だけで生活している修行者は、やがて着ているものはボロボロになってしまいます。修行者が着ているものは破れたところを繕(つくろ)いながら生活しています。

 

修行者の姿を見ていた街の人々は、修行者の質素すぎる生活があまりに気の毒に思いました。
そこで、街の人々は修行者が着ているものを繕うために使う布を「せめて当て布だけでも」と施しました。修行者に布を施したことから「布施(ふせ)」という言葉が生まれました。

 

お坊さんが身に付けている袈裟(けさ)をよく見ると、継ぎはぎになっています。
今の時代に袈裟の大きさ(寸法は縦110センチ、横190センチ位)の布が手に入らないわけではありません。しかし、あえて袈裟は継ぎはぎにして縫製(ほうせい)されています。その理由は、お釈迦(しゃか)さまの時代から今に続く「布施の心を忘れないように」という思いからです。

如法衣

私は袈裟を身に付けるとき、布施の心も身にまとっていると考えています。
姿が見えないご先祖さまに対して供養の心を伝えたいと思っている方々に対して、私は布施の心で接していきたいのです。

 

仏教に布施という教えがあるおかげで、私たちは誰かに対して優しくなることができます。
「せめて少しだけでも、あなたの役に立ちたい」という心が生まれるからです。
お釈迦さまから空海(くうかい)を通じ、私に至るまで脈々と仏教を伝えてくださった人々と私の御縁と恩に感謝しています。