新刊『人を想うこころ』~人生で大切な恩と供養の話~ が平成29年10月1日に発刊されました。
本書の一部を先読みしてもらえるようブログで公開いたします。
なぜ、供養をしなくてはいけないのか。
なぜ、恩が大切なのか。
本書で気づいてもらえるとうれしいです。
一周忌の御本尊 ~勢至菩薩(せいしぼさつ)~
一周忌(いっしゅうき)の御本尊である勢至菩薩(せいしぼさつ)も、あなたにとって聞き慣れない仏さまでしょう。
勢至菩薩は、人々を救う力がとてつもなく大きく、苦しみから解放する手立てや知恵をたくさん備えている仏さまです。
では、仏教における知恵とは何でしょうか。
一般的に、知恵とは生きていくために必要な知識や教養を指します。しかし、仏教における知恵は少し違います。
あなたがご先祖さまを供養することを例に取りましょう。
ご先祖さまを供養することは、あなたがご先祖さまから受けた生前の恩に対して行われるものです。
もっと簡単に言うならば、ご先祖さまがこの世にいたことを忘れないために供養するのです。
つまり、仏教における知恵とは「忘れないこと」なのです。勢至菩薩は、あなたがいつまでも忘れることなくご先祖さまの恩に報いるために供養を続ける知恵を心に植え付け、それが傷つくことなく成長していくよう守ってくれるのです。