一心に祈ること

「初不動」の日にあったできごとです。
毎月28日は不動明王の縁日で、長岸觀音寺では不動護摩を午前10時から
行っています。
年始の不動明王縁日は「初不動(はつふどう)」と言います。

添え護摩札にお願い事を書いて、不動明王の御真言を唱えながら護摩祈祷の炎で焚き上げます。

護摩祈祷が終わった後は護摩壇の周辺は灰だらけになりますが、私の心は心はすっきりします。
私の煩悩を焼き尽くし、お願いごとを書いた方の想いが伝わるからでしょうか。

さて、ある檀家さんは年末から体調を崩しているお母様(91歳)を心配して
ずっと不動護摩祈祷に来てくださり、心を込めて添え護摩札を書きました。

体調を崩していたお母さまは(91歳)、3日前に退院したとのこと。
一時は「心の準備をなさってください。」とまで医師に言われたようですが、
お母さまは何とか持ち直して退院し、自宅に帰ることができました。

檀家さんはホッとした表情で、にっこりとほほえんでいました。
「ご祈祷してもらったおかげです。」
檀家さんの目尻の笑いじわがより一層深くなっていました。
私もありがたい言葉を頂戴し、うれしくなりました。

弘法大師の言葉に
「月の光は水面まで届いても、波が立っていれば月を映すことができない。
澄み切った心に加持(祈祷)の効果が映し出される。」

迷ってばかりで心にさざ波が立っていれば、何も映りません。
心静かになった時、はじめていろいろな物が映ります。

一心に祈ること。ただ、それだけで良いのです。
後は、仏さまがスッと背中を押してくれます。