似合わない上着 その2 ~交通安全法話~

前回は、あなたが親の教えを守り交通安全に気をつけてきたから、今まで元気でいることができるという話を書きました。

すると、ある人が思い出話をしてくださいました。

思い出話を語ってくださったのは、俊子さん(仮名)です。

俊子さんが小学二年生の時に、お父さんは俊子さんにオレンジ色の上着を買ってきました。オレンジは俊子さんが嫌いな色でした。どうしても俊子さんに似合うと思えませんでした。
俊子さんは青や緑が好きで、オレンジのような明るい色は嫌いなのです。

俊子さんのお父さんは亭主関白で、家庭では絶対権力を持っていました。家庭では、父の言うことは絶対で、家族全員が守らなくてはいけないというルールがありました。
お父さんは時に無理難題を言うことがあります。さすがにお父さんの言い分がおかしいときは、母が父をたしなめていました。母に言われると、父は仕方なく槍を収めたものです。

しかし、俊子さんの上着だけはお母さんも反対しませんでした。俊子さんにはオレンジの上着が似合わないことは分かっていたはずです。にもかかわらず、外出するときは俊子さんに絶対オレンジの上着を着せました。
なぜ? 俊子さんには理由が分かりませんでした。俊子さんには、オレンジ色の上着に嫌な思い出しかなかったのです。

後に俊子さんは、オレンジ色の似合わない上着は交通事故防止のためだと聞かされました。上着はオレンジ色なので、俊子さんがどこにいても、夜間でも目立つ色です。
俊子さんが幼いころ、スーパーの駐車場で交通事故に遭いそうになったことがありました。俊子さんはあまり記憶に残っていないようですが、お父さんとお母さんは肝を冷やしました。
それ以来、俊子さんがどこにいても目立つようにとオレンジ色の上着を着せることが習慣となったのです。

続く