子どもを守る仏さま

新刊『人を想うこころ』~人生で大切な恩と供養の話~ が平成29年10月1日に発刊されました。

本書の一部を先読みしてもらえるようブログで公開いたします。
なぜ、供養をしなくてはいけないのか。
なぜ、恩が大切なのか。
本書で気づいてもらえるとうれしいです。


 

子どもを守る仏さま

地蔵菩薩(じぞうぼさつ)は通学路の曲がり角(かど)や道の辻(つじ)におまつりされます。

なぜ、地蔵菩薩は子どもが通る道筋におまつりされるのでしょうか。

 

子どもが幼いときに亡くなると、体が小さいので広い三途(さんず)の川を渡ることができません。
子どもたちは天に届くまで石を積み上げるとお父さんやお母さんに再び会えると聞かされているので、河原のあちらこちらで石を積んでいます。
亡くなった子どもたちは、「一つ積んでは父恋し、二つ積んでは母恋し」と言いながら石を上へ上へと積んでいきます。

賽の河原

そこへ鬼がやってきて、「石を積んでも親には会えぬぞ」と、子どもが一生懸命に積んだ石を崩してしまいます。
子どもたちは父母に会いたい一心で積んだ石を鬼に崩され、再び父母に会えない悲しさでしくしくと泣いています。
これが、子どもたちの悲しい声が響く賽(さい)の河原(かわら)なのです。

 

賽の河原にふらりとやってくるのが地蔵菩薩です。

地蔵菩薩は子どもたちに一人一人優しく声をかけます。
「どうしたんだね」と地蔵菩薩に声をかけてもらった子どもたちは、
「石を天まで積んだらお父さんやお母さんに会えると聞いたから、石を積んでいたの。でもね、鬼が来て私が積んだ石を崩してしまったの。お父さんやお母さんに会えなくなってしまったのが、悲しくてつらくて泣いているの」
と涙ながらに地蔵菩薩に訴えるのです。

 

地蔵菩薩は、「そうか、そうか。それはつらかったね。さあ、私の袖(そで)の中にお入り」と言って、地蔵菩薩は子どもたちを袖の中へ優しく包み込んでくれるのです。そうすると、子どもたちは地蔵菩薩の力によって成仏(じょうぶつ)していくのです。

 

つまり、地蔵菩薩は子どもを守り、願いを叶えてくれる仏さまなのです。
それ故(ゆえ)に、子どもが通る道に地蔵菩薩がまつられ、子どもたちに危険がないよう見守っているのです。