新刊ちょい読み 空海が初めて日本に持ち込んだ仏さまとは?

新刊『人を想うこころ』~人生で大切な恩と供養の話~ が平成29年10月1日に発刊予定です。

発刊に先立って本書の一部を先読みしてもらえるようブログで公開いたします。
なぜ、供養をしなくてはいけないのか。
なぜ、恩が大切なのか。
本書で気づいてもらえるとうれしいです。


 

空海が初めて日本に持ち込んだ仏さま ~不動明王~

空海は、密教を授かるために遣唐船で中国に渡りました。

当時の航海技術は未熟なもので、文字どおり風任せ、波任せでした。中国へ向かうため日本を出発した遣唐船は4隻の船団を組んで出港しました。

しかし、中国へたどり着いたのは空海を乗せた船と最澄を乗せた船だけでした。残りの2隻は行方知れずとなってしまいました。

空海が中国から日本に帰るとき、船縁に不動明王を安置しました。鬼のような形相をしている不動明王を見て、船員たちは仏さまであると言われても信用しなかったことでしょう。

やがて波が荒れ始め、空海を乗せた船は木の葉のように波間を舞い始めました。空海は一心に不動明王の祈ったところ、不動明王が持つ刀で波頭を切り裂き、船を安全に日本まで導いたと言われています。

波切り不動尊

高野山にまつられている波切り不動尊(なみきりふどうそん)は、空海が中国から日本への帰路において船縁に不動明王を安置した仏さまです。