百ヵ日忌 哭(な)くことを卒業する日

新刊『人を想うこころ』~人生で大切な恩と供養の話~ が平成29年10月1日に発刊されました。

本書の一部を先読みしてもらえるようブログで公開いたします。
なぜ、供養をしなくてはいけないのか。
なぜ、恩が大切なのか。
本書で気づいてもらえるとうれしいです。


 

哭(な)くことを卒業する日

近しい人が亡くなると、遺族は悲しむ間もなく葬儀・告別式を行わなくてはなりません。

弔問客に対する挨拶やお悔やみに対応していると時間ばかり過ぎてしまい、遺族の気持ちは置いて行かれてしまいます。
故人を失った寂しさや悲しみを受けとめきれず、何もする気もなくなってボンヤリしているうちに四十九日忌が近づいてきます。四十九日忌までに香典返しの発送手配をする必要があり、遺族は気が落ち着く間もありません。

四十九日忌で故人の遺骨を納骨してしまうと、遺族はやっと我に返り自分の感情に向き合う時間を取ることができます。
波のように寄せては返す感情に翻弄されていきます。突然涙が出てきて戸惑ったり、急に怒りっぽくなったり。
自分はどうかしてしまったのだろうかと気に病んでしまいそうになります。

感情の波が治まってきはじめるのが百か日忌ごろです。

 

百か日忌を別名、卒哭忌(そっこうき)と言います。哭(な)くことを卒業する日という意味です。

故人が亡くなったことを認め、遺族も元の生活に戻って行くことができるよう心がけるときなのです。
百か日忌で故人を導いてくださる仏さまは、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)です。

観世音菩薩

観世音菩薩は母のような優しい女性のように描かれます。
母の懐にいだかれているようで、故人も安心することでしょう。
また、観世音菩薩はあらゆる苦しみを取り除き、思いやりのこころを教えてくださる仏さまです。
遺族も観世音菩薩のご利益により感情の波に翻弄される苦しみを取り除いてもらえることでしょう。