緩和ケアにおける薬剤師に望まれること その4

さて、話を戻して緩和医療について考えてみたいと思います。

私が読んだ本で、日野原重明 著『現代医療と宗教』1997/8岩波書店 があります。

著者の日野原重明氏は2017/2現在で108歳のはずです。100歳ごろまでは現役の医師として患者の治療に当たっておられました。
書籍の中で、日野原氏は医療についてこう述べています。
「医療は病を治すことで発展してきた。治療がすべてであり、患者の死は敗北であるとされた。このため、医療の手立てがなくなった患者に対する手当が何もなされないことがあった。
 しかし、私は治療(キュア)だけでなく治療の手立てがなくなった後も介護(ケア)が必要なのではないかと思う」
本が発刊された、今から20年前には緩和医療という考え方はありませんでした。にもかかわらず、日野原氏は緩和医療が必要であるという提案をしています。つまり、緩和医療という新しい医療分野がひらかれたと考えてよいと思います。
死は医療の敗北ではない。亡くなるまで精一杯生ききることこそが人間の尊厳であると日野原氏は提言しているのです。日野原氏は敬虔なクリスチャンだったので、死を見つめる医療について考えを持つことができたのでしょう。
つづく