法事をする理由を、子どもや孫に教えてやってください

新刊『人を想うこころ』~人生で大切な恩と供養の話~ が平成29年10月1日に発刊予定です。

発刊に先立って本書の一部を先読みしてもらえるようブログで公開いたします。
なぜ、供養をしなくてはいけないのか。
なぜ、恩が大切なのか。
本書で気づいてもらえるとうれしいです。


 

法事をする理由を、子どもや孫に教えてやってください

ある檀家さんの法事で、こんな言葉を投げかけられました。
私は緊張して、格好の良いことを言わなくてはいけない!と構えてしまいがちなのですが、ふと思い立って法事の席にいた小学生の孫に対して質問を投げかけてみました。

人を想うこころ 表紙デザイン縮小版

さて、ご先祖さまとは、誰のことなのでしょうか。

私は、長男くんに向かって言いました。

「あなたが生まれたのは、お父さんと、お母さんがいたからだよね。あなたのお父さんには、おじいちゃんとおばあちゃんがいる。お母さんにも、おじいちゃんとおばあちゃんがいる。では、あなたのおじいちゃんとおばあちゃんは、全部で何人?」

長男くんは「4人!」と元気に答えます。

「正解。では、もう少し考えてみよう。あなたのお父さんのお祖父ちゃんにも、お父さんとお母さんがいる。お父さんのお祖母ちゃんにも、お父さんとお母さんがいる。つまり、あなたのひいじいちゃん、ひいばあちゃんだね。全部で何人?」

長男くんは、ちょっと考えて「8人!」

「正解。これを十回繰り返したら、全部でご先祖さまは何人になると思う?」

急に計算できないので、長男くんも苦笑いです。

「正解は、あなたのご先祖さまは約二千人いることになるんだよ。もう十回、つまり二十代前にはあなたのご先祖さまが約二百万人いることになるのだよ」

長男くんは、すごい数に頭が混乱してきました。

「ということは二百万人の名前も顔も知らないご先祖さんから、一人の君が生まれることができたわけだ。もし、お祖父ちゃんが生まれていなかったら、お父さんは生まれていない。つまり、君も生まれていないことになるよね」

なるほどなあ、という顔をして聞く長男くん。
「お祖父ちゃんが生まれて、お祖母ちゃんがいたから、お父さんが生まれた。お父さんがお母さんと結婚しなかったら、君は生まれてくることができなかった。今生きていることは、すごい確率なんだね」

ほほう、という顔をする長男くん。
「同じように約一千人のご先祖さんがいたから、君はこの世に生まれることができた。今生きているのはご先祖さんのおかげなんだよ」

長男くんは今まで考えたこともなかった自分がこの世に誕生した奇跡に、びっくりしていました。

参考 いのちのまつり―「ヌチヌグスージ」

ありがたいことに、60代以降のほとんどの方は先祖供養することが当たり前の事として認識していらっしゃいます。しかし、三十代~四十代の子ども世代、十代以下の孫世代は、なぜ法事をするのかよく分かっていないことも多いようです。

私は、供養はご先祖さまの恩を忘れないことであると考えています。